とある普通の人の生活の記録

タイトルはこんなのいいでしょうか。ブログを始めてみました。日常生活をつらつらと残します。スイーツ、趣味の登山、おでかけの記録、マンガアニメの感想、ただ単に思うことなどを残して行ければと思います。

映画感想「竜とそばかすの姫」

竜とそばかすの姫を見てきましたので感想です。

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竜とベル

作品情報

  • 最近、ファミリーものが増えてきている細田守監督の作品です。家族で頑張るというのはサマーウォーズからの傾向でしょうか。
  • 時をかける少女は、筒井康隆原作を貞本義行キャラデザで仕切り直した点が良かった。(原田知世版も内田有紀版も好きですよ)。貞本氏はおおかみこどもまでは参加しているのに、移行は不参加。なのに、貞本風キャラになってしまっているので、どうかなと思っている。ベルだけ全然違う絵だね。
  • 個人的には、バケモノの子の男臭い話が好き。でも、組み手のシーンは努力を示す必要があったのは分かるが単調でイマイチだった。
  • 宮崎駿監督が高齢なので、ジブリの後の日本アニメ映画はどうなるんだろうという中で、だいたい1番目に登場する監督なので期待しています。
  • 公式サイトは以下です。

ryu-to-sobakasu-no-hime.jp

あらすじ

高知の田舎町で父と暮らす17歳の女子高生・すずは周囲に心を閉ざし、一人で曲を作ることだけが心のよりどころとなっていた。ある日、彼女は全世界で50億人以上が集うインターネット空間の仮想世界「U」と出会い、ベルというアバターで参加する。幼いころに母を亡くして以来、すずは歌うことができなくなっていたが、Uでは自然に歌うことができた。Uで自作の歌を披露し注目を浴びるベルの前に、ある時竜の姿をした謎の存在が現れる。

映画サイトより抜粋。

感想

美女と野獣のオマージュ?

  • 主人公の名前はベルで、竜(「Beast」と呼ばれている)時点で、美女と野獣?って思いました。「Dragon」でもよかったと思います。
  • 英語タイトルは主役の「Belle」だそうですが、「Belle & Beast」でも良かったのでは?露骨すぎか。
  • 竜=野獣、ベル=美女の構図でしょうか。ディズニー好きの人はどうしても比較しちゃうのでは?

歌で竜を救う、いや救えてない。

  • 主人公が仮想世界の歌姫であることが、事前情報でも強調されていたのでここに期待しすぎました。歌の扱いが全然でした。
  • 歌がキーとなっているアニメ作品といえば、マクロスシリーズです。「歌姫」が登場するのも同じ。歌による宇宙人とのコミュニケーション、ヒロインの三角関係、戦闘機バトルをウマくミックスさせた作品ですが、歌を登場させるのって難しいと思います。ただしデルタは「歌で文化を理解し合う」ところが全然ダメなので嫌い。
  • 細田監督がライバル視しているジブリ作品だと、カントリーロードなんかですかね。カントリーの名曲だし、日本語訳をつけて歌うことに試行錯誤する女の子と、バイオリン作りに情熱をそそぐ相手役と、歌がうまくストーリーの鍵になっていたと思います。でもカントリーロード「歌姫」じゃない
  • 「U」はすごいいい歌だと思う。でも唐突すぎる。「歌が良いから仮想世界の中で人気がでた」、人気があるからということが終盤の結末への展開につながってくるのですが、それだとベルの歌である必要性って別にないよね?というところがすごい残念です。
  • 「歌姫」であること強調していたのに歌とストーリーが何も関係してきませんでした。竜は別にベルの歌に感動した訳じゃない。竜がベルの歌に惹かれる展開ならよかったのに。
  • 24時間テレビサライを歌って一体感をあおるのと同じ。その程度になってしまっている。
  • ミュージカル映画なんだなこれは。期待した方向性が間違っていた。サウンドオブミュージックみたいにすればよかったのにと思った。

竜との交流

  • 「暴れ者の竜を気にして、竜の城を探して迷い込む」ところって美女と野獣のまんまなんです。上記にも書きましたが、もう少しわかり合うというか交流を深める時間があってもよかったと思います。
  • 美女と野獣では父を助ける代わりに強制的に城に残った結果、野獣との交流が始まるという納得感のある展開だったのですが、周囲全部に敵意を向ける竜が気になって、竜のところを訪れるだけでした。「お前ナウシカみたいな慈愛の象徴じゃないんだから、そうはならんやろ」と思いました。
  • サマーウォーズ(現実とインターネット空間での人間関係)に、ミュージカル要素を加えたのは詰め込みすぎじゃないのと思いました。
  • 雑な展開になってしまって共感できませんでした。

子どもと親との関係、唯一よかった。

  • すずと他人の子どもを助けるために死んでしまった母親との関係
  • それをきっかけに自閉的になってしまうすずと見守る父親との関係
  • そして終盤のキモとなる、父と父親から虐待されている子どもの関係
  • いろいろな人物の心模様が描かれますが、周りの人をもう少し頼ってもいいんだよという展開はとてもよかったです。
  • 唯一評価点が高いところ。唯一感動できたところです。

児童虐待の扱いが危うい。

  • 虐待親のところに一人で乗り込むっておかしいと思う。周囲の人も止めないし。すすのせいで虐待がエスカレートしたらとか思わないのだろうか。この辺は公開直後も児童虐待が絡んできて、描かれ方が問題だみたいな指摘を見かけましたが、こういうことだったのね。
  • 虐待子はタイミングよく親に無断で外に出てて、すずと出会うところもおかしい。親に閉じ込められてるのだから、そんなことできないだろう。
  • 高校生が虐待親に突撃するのは、現実ではやめとけと思います。
  • 児童虐待は締めに使われただけで、主題になってない。児童虐待を止めて竜が周囲を交流を始めることができたのか、そこまで書かないと野獣になってしまった呪いの魔法が解けたのかどうかわからないだろうに。
  • こどものこころを丁寧に描いた作品では、最近だとモーニング連載中の「リエゾン」がよいです。ただし、センシティブな絵が多いので心して読みましょう。

声優が下手すぎる。

  • 歌はいいのに、声優が下手です。声が直線的すぎる。俳優をよく起用するジブリ作品にも言えますが、スクリーンから客席に向かって話しているように聞こえます。
  • 隣に立っている人物に話しているんでしょと思ってしまいました。主人公だけこういう発声で周囲が多少フォローするなら聞けるのですが、レギュラー陣がみんなこうなので、ストレスがたまりました。
  • 主人公は、少なくともマクロス方式をとって、ベルと「歌ベル」は分ければ良かったのにと思いました。
  • そして、お父さんの役所広司さん、棒すぎない?お父さんは棒はジブリの系譜をなのだろうか。

その他、雑感

  • 子どもすすが、ガンバとカワウソの冒険を読んでた。懐かしい。
  • しのぶくんは、お母さんが助けた子どもだと思ったけど、そうでもなさそう。
  • サマーウォーズよろしく、吹き出しでネットのたくさんの発言を示す表現は、目移りするので個人的には嫌い。
  • TOHOシネマズで見たけど、低音が強すぎて聞きづらかった。映画館なのに音響が悪くて残念。

まとめ

  • 歌は良い。中村佳穂さんとミレニアムパレード。
  • Uの世界、現実世界の高知の風景はきれい。でも細田監督って絵で勝負する人じゃないのに。
  • しのぶくんと付き合うのか、虐待されてた子どもは救われたのか、その辺は視聴者にお任せかなぁ。いろいろ考えてみてくださいってことか。